横田小児科医院

院内報

こあら通信 第87号 2005 July

目次

・コミュニケーション能力
・ヨコピ-の子育て知恵袋
・ホームケア
・おすすめの絵本
・お知らせ

コミュニケーション能力

 真夏を思わせる日が多くなり、こころは夏休みに向くようになりました。突然の日本脳炎ワクチン勧奨中止の発表に、私たち小児科医はたいへん混乱しましたが、すぐに日本脳炎の発生が起こる危険も少ないと思いますので、皆さんは焦らずに厚生労働省の対応を見守ってください。

 さて夏休みも近づいて、毎年この時期になると子どもの発達や健康についての講演を依頼されることが多くなります。子育てがたいへんになってきているという話をする中で、少子化や核家族化と並行して、お母さん方のコミュニケーション能力が低下しているということを話題にすることが多くなりました。

 お母さん同士が友達付き合いできない、悩みを相談する相手がいない集団生活の中で自分の思いを主張できても他の人の立場で考えられないなど、いろいろなところに問題が見え隠れします。その結果、孤立した環境で子育てをしなくてはならない羽目に陥っている。そんな気がするのです。

 また、自分の子どもとも上手にコミュニケーションすることができないお母さんも増えています。言葉を話せなくても、子どもに触りその目を見ればわかると思うのですが、子どもの思いはなかなかお母さんに伝わっていないように感じます。

 最近、外国のいろいろな映画祭で話題になっている「black」という題名のインド映画を観る機会がありました。盲目で耳の聞こえない少女と、その少女を人間世界に連れ戻す年老いた男性教師の交流が描かれているのですが、心を通わせるというのはこういうことなのだ、と熱い感動が沸き起こりました。

 携帯電話やメールの発達で、コミュニケーションの手段は途方もなく進歩しました。でも、もっとも大事なこと、つまり心と心が繋がるというコミュニケーションの基本は、手のかかる、昔から変わることのないものだと思うのです。自分自身が本当の意味でコミュニケーションできているか、もう一度考えてみることが必要ではないでしょうか。

ヨコピ-の子育て知恵袋

<指しゃぶり>

 指吸いはいつ頃から始まるものでしょう?子宮の中の胎児の頃から指を吸う場合があると言われています。指吸いは、赤ちゃんにとって自然なことです。ほとんどの赤ちゃんは、生後2~3ヶ月になると、自分で手を口に持っていき指しゃぶりをするようになります。よく見ると、親指だけを吸っていたり、親指を除く4本の指全体を口の中に入れたり様々です。特に眠い時やおなかがすいている時によくみられます。指吸いは、3歳ごろまで心配ありません。いろいろなことに興味をもつようになると、指吸いをいつの間にか忘れてしまいます。ちょっと不安な時や寂しい時、また、夜眠る時に指吸いをすることがありますが、無理にやめさせたり、しかったりしないようにしましょう。4歳を過ぎたら、歯並びやかみ合わせに影響が出てきます。保育園や幼稚園で友達とうまく遊べない、家庭内でしかられることが多いなどが原因になっているかもしれません。十分な愛情やふれあいを通して、心配や不安を解消してあげることが大切です。

ホームケア-突発性発疹

《症状》
 生後6ヶ月から1歳半くらいまでの乳幼児に多く見られます。38℃~39℃の高熱が3~4日間くらい続きます。熱の割には比較的キゲンがよく、食欲も落ちないことが大部分です。咳や鼻水も原則的にはありません。熱が下がる頃からお腹を中心に細かい発疹が出てきて、全身へと広がっていきます。多少下痢気味になることがあります。ときに熱性けいれんのきっかけになったり、ごくまれに脳炎や脳症などの合併症を起こすことが知られています。発疹は3~4日で自然に治ります。

《原因》
 病原体としてヒトヘルペスウィルス6、7型が確認されています。5%くらいの人が2度かかることがあります。

《治療》
 突発性発疹だとわかれば治療の必要はありませんが、発疹が出るまでは正確な診断は難しいものです。他の病気の可能性がないかどうかを考えながら、薬を使うこともあります。突発性発疹に特効薬があるわけではありません。

《ホームケア》
1.高い熱があってもキゲンがよく水分がとれているようなら解熱剤を使わなくてもよいでしょう。熱で頭がおかしくなるようなことはけっしてありません。過ごしやすいようにしてあげましょう。
2.ミルクや母乳の飲みが少なければ、少しずつ何度も与えましょう。離乳食はたべられるようならいつもどうりでかまいません。
3.入浴は高い熱があるときや元気のないとき以外はかまいません。

※こんなときにはもう一度診察を
・ひきつけたとき
・水分をあまりとらず、元気がないとき

おすすめの絵本(紹介:おはなしたんぽぽ)
ものぐさトミー

ペーン・デュボア 文・絵 松岡 享子 訳

岩波書店

 トミー・ナマケンボは電気仕掛けの家に住んでいます。朝、お日様が昇るとトミーのベッドは自動的に動き出し、着替えも食事もみんな機械がやってくれま す。トミーはただ立っているだけなのに疲れてしまいます。ところがある夜嵐になり、停電してしまいます。一週間後、トミーの家にまた電気が流れるように なりましたが・・。大騒動の始まりです。

お知らせ

1.夏休みの予定
 7月31日から8月10日まで横田先生が不在となります。
・7月31日(土)、8月1日(月)、8月5日(金)- 安戸先生が診察
・8月4日(木)- 渡辺先生が診察
・8月2日(火)、6日(土)、8日(月)、9日(火)は休診の予定です。(変更の可能性がありますので、ホームページ、お知らせ等でご確認ください。

2.日本脳炎の予防接種について
 厚生労働省の通達により、より安全性が高いことが期待される新しいワクチンができるまでは積極的な接種はお勧めしないことになりました。ただし、接種を強く希望される方は同意書に署名していただいた上で接種ができます。質問のある方は御相談ください。

横田小児科医院

お問い合わせ先

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病児保育室JAMBO!

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〒250-0051
神奈川県小田原市北ノ窪515-3
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TEL 0465-34-0666
FAX 0465-35-0756
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