横田小児科医院

院内報

こあら通信 第72号 2004 April

目次

・春うらら
・ホームケア-
・ヨコピーのQ急箱
・おすすめの絵本
・お知らせ

春うらら

 桜の花も咲き始め、春になったことを実感するこの頃です。3月末の週末に日本外来小児科学会の仕事で九州は湯布院へ出掛けてきました。雨が続いたのが嘘のように晴れ渡り、くっきりとした由布岳を眺めながら温泉にもつかってきました。湯布院の街はゆったりとしていて、久しぶりに「のんびり」という言葉を思い出しました。まさに春うららという気分です。

 「春うらら」というと、同名で連戦連敗の地方競馬の競走馬が話題になっています。勝つことばかりが求められる世の中で、負けても走り続け、人々の関心を集めているというのは何となく嬉しいできごとです。勝つことは確かに一つの目的ですが、負けるものがあるからこそ、勝つものがあるわけで、勝てなければおしまい・・ではありません。たとえ負けても、その過程にこそ意味があると考えたいものです。

 結果ばかりに目を向けず、経過をだいじにして楽しむ姿勢が必要なのは子育ても同じです。有名な学校に入れるようにと、結果ばかりにこだわって子育てをしていると、その時にしか味わえない本当の子育ての楽しみを感じられないまま時が過ぎてしまうように思えます。「もったいなかった」と気が付くのはいつも物事が終わってからです。

 湯布院へ向かう途中で見た町の紹介ビデオの中で、ミヒャエルエンデの「モモ」に出てくる一節を引用して「時間どろぼう」の話が出てきました。湯布院は時間どろぼうから時間を取り戻してくれる街・・というコンセプトなのですが、確かにそう思わせてくれる週末でした。

 懇意にしていただいている大分の皆さんのもてなしがあったからこそなのですが、歓待に感謝しつつ、時間を取り戻すためには良き友を持つことも必要だと実感しました。

予防接種

 医学が進歩した現在でも、かかってしまえば治療法がなかったり、重い後遺症を残したりする病気がまだまだあります。病気にかからずにすむ予防接種があるのなら受けておくべきです。

1. 「流行していないから受けない」のではなく、「受けないと流行する」と考え、予防接種で抵抗力をつけましょう。
2. はしかは自然にかかると重病になったり命にかかわることがあるので必ず受けましょう。受けないと、まだ予防接種を受けられない子どもにうつしてしまうので、本人のためでもあるのと同時に、大切なマナーでもあるのです。
3. 一生効果が続くもの(はしか・風疹・三種混合・日本脳炎)やきちんと受けても2~3割の人がかかってしまう(水ぼうそう・おたふく)ものがありますが、予防接種の必要性にかわりはありません。
4. けいれんを起こしたことがある子やアレルギーがある子こそ予防接種が必要なので、その方法や時期、打てるかどうか、先生とよく相談しましょう。
5. 接種後、少しだけ病気の症状が出たり、過剰な反応でいろいろな症状を一時的に現すことがありますが、それよりも治療法のない病気にかかるほうが危険です。副反応を心配するあまり、病気の恐ろしさを忘れないようにしましょう。子どもは病気にかかりやすく、かかると重くなることがあるので、病気にかからないように守る役目が予防接種です。病気が流行すると子どもだけでなく、それをとりまく社会も大きな損失をこうむります。子どもを守るためはもちろん、社会全体を病気の被害から守るためにも予防接種は必要です。

※わからないことがあったら、どんなことでも先生や看護師に相談して下さい。

ヨコピーのQ急箱

Q. 何度もおトイレに行く子ども。膀胱炎かしら?

A. 必ずしも膀胱炎とは限らないよ。

1. 熱もなく、おしっこする時に痛む様子もない
2. たくさんおしっこが出ているわけでもない
3. 今行ったかと思えばまたトイレへかけこむ
4. 夜寝ている間にはトイレに起きることがない
5. おしっこ検査でも異常がみあたらない

こんな時は、腎臓や膀胱などの病気ではなく、緊張したお子さんのこころの現れかもしれないんだよ。発表会が近づいたり、責任ある仕事を任せられたり、環境の変化・強くしかられた・・・などがきっかけになることがあるんだよ。周りの人がそのことを気にしすぎて注意(「また行くの?」)してしまうと、ますます緊張が高まり、さらにおしっこが近くなるんだ。だから、まずは子どもをとりまく環境をチェックして何かストレスになっているものがないか、子どもの立場になって考えてあげてね。見つかれば、お子さんの力になってあげてね!そのうちしだいに治ってくるから、おしっこに何度行こうがしらんぷりをしてあげてね。

おすすめの絵本(紹介:おはなしたんぽぽ)
「げんきなマドレーヌ」

ルドウィッヒ・べ一メルマンス作・絵
瀬田貞二一訳

 パリの街を散歩するかわいい十二人の女の子、その中で一番おちびさんで一番元気なマドレーヌのお話。何をするにも二列になっている十二人のそばには、尼さんのミス・クラベルが立っています。ところが、ある真夜中、マドレーヌがもうちょう炎で入院するという大事件が起こりました。入院中のマドレーヌの気持ち、お見舞いにやって来た十一人の気持ちが、簡潔な語りで描かれていてとても魅力的です。

カウンセリング外来担当変更のお知らせ

 カウンセリング外来担当の石井かなめ先生が県外に転居されることになりました。

 4月からは、浅井聖士先生が、毎月1回(4月は12日)、午前10時から午後5時の予定で外来を担当します。心のちょっとした問題がからだの症状に表れているお子さん、学校や園に行けないで困っているお子さんなどの相談をおうけします。予約を希望される方は、受付(0465-34-0666)にお申し込みください。

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病児保育室JAMBO!

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