院内報
こあら通信 第44号 2001 Dec
目次
・父を想う
              ・ホームケア・アドバイス-吐いたときのケア
              ・ヨコピ-のQ救箱
              ・午後の診察の予約について
              ・おすすめの絵本(紹介:おはなしたんぽぽ)
父を想う
 慌ただしい年末がまたやって来て、今年もいろいろな事件があったことを思い出します。ニューヨークのテロ事件に始まったアフガンの戦争では、そこに生きる子どもたちのことを考えさせられました。同じ地球に住みながら、私たちとはあまりにも違う運命の元で生きていかなくてはならない子どもたちがいることを、忘れずに生活することも大切です。
              
               話は変わって、最近お父さんと一緒に来院するお子さんが多くなっていますが、今年の最後に父親のことを書いてみようと思います。私の父、当医院の前院長をご存知の方もたくさんいることでしょう。昔の患者さんから聞く話の大方は「とても怖い先生だった」というものです。
              
               父は喜怒哀楽がはっきりしていましたし、患者さんのためにだめなものはだめとはっきり言う人だったので、好かれることも多かった反面、二度と受診しない患者さんも多かったのではないかと思います。私たち子どもに対しても、無茶苦茶だと思うことも少なくありませんでした。対抗心から父にだけは絶対負けないようにしようと、子ども心に誓ったことも思い出します。
              
               そんな父については不思議と思い出すことがたくさんあります。いやというほど聞かされた落語「目黒のさんま」の話、尊敬していた恩師の話、小さい頃家族全員の靴を磨いていた話など、亡くなって8年を過ぎましたが、いまだに何かの時にふと浮かんできます。
              
               どうしたら良い父親になれるのか・・と尋ねられることがありますが、要は自分のスタイルをしっかり持って生き、それを子どもに示すしかないのではないでしょうか。子どもが成長していくための目印(良くも悪くも)になっていることこそ、大事なことのような気がします。
              
               若いお父さん方にも頑張っていただきたいと思います。では、よいお年をお迎えください。
ホームケア・アドバイス-吐いたときのケア
カゼのウイルスの中には、嘔吐を伴うものが少なくありません。また、カゼ以外でも嘔吐を引き起こす病気もあります。
              《吐いたあとも機嫌がよいとき》
              
               吐いたあと機嫌がよく、飲んだり食べたりできるときには様子をみましょう。
              (食べすぎないように注意!)
              
              《吐いたら飲まない、食べない》
              
               続けて吐いたら、吐いてから3―4時間は、何も与えないのが原則。何かを飲ませることで再び吐き気をもよおすことがあります。飲ませたものだけでなく、胃液も吐くので電解質のバランスをくずすことにもつながります。
              
              《顔は横向に》
              
               吐いたものが気道をふさがないようにします。吐き気が強いときは、抱っこか上体を起こしてあげましょう。
              
              《吐物はすばやく片付けよう》
              
               吐いた後はいやな臭いがまた吐き気を誘わないよう、口の中にたまっている吐物を取り除き、汚れた服も早めに着替えましょう。
              
              《まずはスプーン一杯から》
              
               嘔吐が続くといちばん心配されるのは脱水症状です。はげしい吐き気がおさまったら、まずはスプーン1杯から数分おきに与えて様子をみ、徐々に量を増やしていきます。(小児用イオン飲料水、麦茶、お茶、さ湯など)
              
              《薬はどうする?》
              
               吐き気がおさまり水分が取れるようになったら与えるようにしましょう。
              
              《こんなときは早めに受診を》
              
              ・何度も吐き続けているとき
              ・元気がなく顔色が悪いとき
              ・唇が乾いておしっこが少ない
              
              これらの症状がある場合は早めに診察を受けましょう。
ヨコピ-のQ救箱
Q. 口内炎ができました。どうしたらいいの?
              
              A.  口の中に小さな潰瘍ができて、白く薄い膜をかぶり痛みがある病気をアフタ性口内炎というんだよ。口内炎は口の中の不衛生や小さな傷からできるんだ。ヘルペス口内炎、水ぼうそう、手足口病、ヘルパンギーナ、かぜなど発熱を伴う病気や、全身疲労など原因はいろいろ。2週間以上なおらないときは、全身的な病気の一症状として口内炎ができることもあるから一度診察を受けましょう。治療は、炎症を抑えるための副腎皮質ホルモンを含んだ外用薬(軟膏、テープ状)、痛みを抑えるための麻酔薬(ゼリー状、液状)などを使って、食事が取れるようにすることが中心です。口内炎の回復を早めるのビタミン剤や二次的感染を防ぐための抗生物質を飲むこともあるよ。食事は、高カロリーで薄味、水分が多くやわらかく咽ごしのいいもの、たとえばコーンスープ、茶碗蒸、プリン、野菜シチュー、アイスクリームなど。水分はイオン飲料、麦茶、牛乳などを与えましょう。酸味のあるもの、硬いものは避けたほうがいいよ。家では口内の清潔を保ち、口の中に傷を作らないように気をつけてね。
              
午後の診察の予約について
 午後の診察の予約についてお訊ねいただくことが多いので、ご説明します。
              自動電話予約システムを利用しての予約は、当日の午後0時から3時の間となります。前日、または当日の午前中にはできませんのでご注意下さい。午後3時以後は直接受付の方に電話をして予約を入れて下さい。よろしくご協力下さい。
おすすめの絵本(紹介:おはなしたんぽぽ)
              「ロージーのおさんぽ」
              パット・ハッチンス さく わたなべしげお やく 偕成社 刊
              
               文だけ読むと、めんどりのロージーのさんぽのことしか書いてありません。ところが、何も知らないロージーをねらって、狐が後を追っています。ロージーは夕食前の散歩を楽しんでいるだけなのに、狐はひどいめにあい、しっぽをまいて逃げ出すというユーモラスなでき事を、絵がみごとに語っています。文字を読みながら自然に絵の展開を見せられてしまう、絵と言葉の完全に溶けあった絵本です。

		