院内報
こあら通信 第329号 September 2025
バトンタッチ
HPでお知らせしているように、来春クリニックの隣、今のジャンボの建物の場所に、私の三女夫婦が内科のクリニックを開院するため準備を進めています。そのため、ジャンボも来月からは近くのマンションに一時的に移転することになりました。新しいクリニックの2階には、新しいジャンボができますので、楽しみにしてください。
検討しなくてはならない問題点、解決すべき課題などたくさんありますが、私の次の世代がそれを乗り越えて新しいクリニックを作ってくれるものと信じています。困ったときに薬を出したりして対症療法を行うことも必要ですが、病気の本質を理解できるようになり、自分自身の判断で自宅療養したり病院を受診したりすることができるようになることがより重要です。これをヘルスリテラシーと呼び、「健康情報を入手し、理解し、評価し、活用するための知識・意欲・能力」を意味しています。この能力が高くなると病気の予防や早期発見にもつながります。
日常の小児科診療はまさにヘルスリテラシーを高める場でなくてはならないと思い、病気の説明、ホームケア、心配事の解決などに力を入れてきました。受診する皆さんもそのことを理解して、自分の健康意識を高めてもらえればと願っています。
横田小児科医院はまさにバトンタッチの瞬間のときにいます。30年間診療を続けてきましたが、人間の力には必ず限界がありどこまでも続けられるわけではありません。だからこそバトンタッチが必要になります。渡すバトンはクリニックを利用している患者さんであり、経験を積んだ看護師さんであり、有能な事務職であり、長年培ってきた医療技術です。しかし、一番大切なのは、受診する皆さんが健康であってほしいという願いであり、それを支援する診療体制なのだと思っています。横田小児科医院と新しくできる新井クリニックが、これからも末長くこの地域に貢献できるかが、このバトンタッチにかかっています。

