院内報
こあら通信 第327号 July 2025
水いぼ
水いぼはウイルス性の皮膚疾患で、伝染性軟属腫ウイルスに感染することによって小さいいぼができる、幼児期から学童期の子どもによくみられる病気です。直径1~3㎜の丸くツヤツヤした白っぽいブツブツで中央がくぼんでいるのが特徴で、この中にウイルスがたくさん含まれています。水いぼができるのは体全体ですが、特にわきの下や腕の内側・お腹や胸にできやすい傾向にあります。水いぼ自体は痛みやかゆみを伴うことはほとんどありません。皮膚や衣類の摩擦で潰れてウイルスが周りに広がることがあります。アトピー性皮膚炎や乾燥肌などかゆみがある場合、皮膚のバリア機能が弱まっていると広がりやすくなります。プールの時期になると「プールに入っても大丈夫ですか?」とよく聞かれます。水いぼはプールなどの水を介しては移らないといわれているため入っても構いません(日本小児科学会・皮膚科学会が「プールは入っても問題ない」と見解を示している)。
ただし、タオルや浮き輪・ビート板などを介して移ることがあるため共有することは避けましょう。水遊びをするときは、絆創膏(防水加工)を貼る、ラッシュガードを着る、プールの後はシャワーで肌を清潔にするなど心掛けましょう。
水いぼ自体に効く薬はありません。家庭では、かき壊さないために爪を短く切る、体を清潔にする、保湿などして肌の良い状態を保ちましょう。
・薬…ハト麦成分の漢方やお茶を服用すると早く改善することがあります。ただし、確実に治る薬ではありません。
・取る…ピンセットでつまんだり、液体窒素などで焼いたりして取ることができます。このような治療の前に痛み止めの塗り薬やシールを貼ることで痛みを和らぐことができますが痛みは残ります。また取り除いても新しいいぼができることがあります。
・待つ…半年~1・2年すると自然に治ります。