横田小児科医院

院内報

こあら通信 第281号 September 2021

目次

・夏の学会
・鼻をかんでみよう
・発達と育児の相談室スタッフ紹介-橋本先生
・発達と育児の相談室スタッフ紹介-松本先生

夏の学会

  デルタ株の蔓延で、COVID-19の患者さんが増えています。近隣の保育園、幼稚園の多くでもコロナの患者さんが発生し、対応に苦慮しているようです。保健所も濃厚接触者の追跡ができないほど忙しくなっており、PCR検査を受けることも簡単ではなくなってきました。今のところ10歳未満の子どもにはうつりにくく、また子どもが周囲の人へうつす力もそれほど強くないように見えますが、今後変化する可能性もあり、どうなるかを注視していかなくてはなりません。ただし、子どもの重症化は少ないので、冷静に対処していただきたいと思っています。

 そんな中、緊急事態宣言発令中の京都で開催された、第30回日本外来小児科学会年次集会へ参加してきました。2年ぶりの開催となり、現地での参加者は例年よりかなり少なかったですが、久しぶりに知り合いに会うことができました。新しい知識もたくさん得て、外来診療への新たな意欲をもらってきました。立ち上げから関わっていた学会が30年経った姿を見るのは、生まれたてから診ていた患者さんが、結婚して子どもを連れてきたときのような感慨があります。

 これからの小児科の外来がどうなるか…という私たちが最も関心をもっている課題についても、たくさんのヒントをもらってきました。風邪などの感染症の診療は大切ですが、もう少し診療スタイルが変わらなくてはなりません。風邪によく効く治療はほとんどなく、ホームケアが何より大切なことをもっと伝えなくてはならないでしょう。そして、健診を増やして子どもたちが健全に育っているかをみてゆくことに、診療の中心が移っていかなくてはならないと改めて感じました。医療の側にも受診者の側にも変化が起こることを期待したいです。

鼻をかんでみよう

鼻水は、鼻に花粉やホコリが入り込み、これらの異物を身体の外へ流し出そうとして出ます。鼻水がたまったままになっていると中耳炎や副鼻腔炎を引き起こす原因となるので鼻をかむことが大切になります。鼻水を出しやすくするポイントは加湿と保温です。鼻をホットタオルで温めたり、お風呂に入っている時は鼻水が緩んで出やすくなります。2~3歳になる頃には言葉を理解し、マネをできるようになるので自分で鼻をかむことにチャレンジしてみましょう。しかし子どもに鼻のかみ方を教えるのは意外と難しいです。親子や兄弟で競争・ゲーム感覚で、遊びを取り入れながらかめる練習をしましょう。
A:テーブルの上に小さくちぎったティッシュを数個置く
①まずはお口で「ふうー」と吹いてみる ②今度は鼻で「ふうー」と吹いてみる ③口から息を吸い込み、口をしっかり閉じたまま、鼻息だけでティッシュを飛ばすー上手になってきたら、片方の鼻の穴を指でふさいで鼻息だけで飛ばしてみよう
B:鼻の穴に軽くティッシュを詰めて飛ばす
うまく出来なくても焦らず、褒めたりおだてたりしながら、ゆっくり楽しんでやりましょう。

   
発達と育児の相談室スタッフ紹介-橋本先生

 発達相談を担当しています、臨床心理士の橋本です。臨床心理士は英語のclinical psychlogistの和訳です。病院の心理屋さんといったところでしょうか。
 発達という概念は、そもそも生物学の分野に由来します。ドイツ語ではentwicklungと言い、語源を見てみると、巻かれた巻物を開いていくといった意味があるそうです。固く巻かれていたものが、徐々にほころんで広がっていく様が思い浮かぶ言葉です。小さな赤ちゃんとして誕生した人間が、ひとりで立ち、ものを話し、友達と遊ぶようになる。分化と統廃合を繰り返しながら広がっていく、これが発達心理学でいう発達です。医療においては身体的な成長を指しますが、心理学では社会生活や物事を考える力など広い意味を指して使われます。そうなると、発達相談で取り扱う事柄が、多岐に渡ることは想像に容易いでしょう。実際、相談の内容はひとつとして同じということがありません。
 私達は、地域の小児科で発達相談を行っています。お子さんが熱が出て苦しそうにしているとき、お医者さんの診察を受けてほっと安堵した経験は、多くの保護者が経験しているのではないでしょうか。予防接種を打ちに来たときにお医者さんに近況を報告して、幼い頃から見守られている安心感が湧くこともあるでしょう。かかりつけのお医者さんには何でも相談できる、という保護者の声を何度も聞いたことがあります。地域の小児科は、医療面で子育てを支えています。それだけでなく、医療という枠組みながらも、お子さんや保護者の心を支える支援の要でもあります。
 だからこそ(常にですが特に)、私達臨床心理士には、この発達相談の場に高い専門性をもって臨む責任があります。臨床心理士の業務は、具体的には、育児の困りごとを解消するための提案をしたり、遊びを通してお子さんの発達を促したり、心理検査を用いるなどしてお子さんの発達を捉えたり、必要であれば外部機関を紹介したり、研究や理論に基づいた情報を提供したり…。教育、福祉とも連携し、安心して子育てができる環境づくりの一助となることを目指しています。
 横田小児科のスタッフの末席に名を連ね、お子さんやご家族にお会いできることを、とても嬉しく思っています。お子さんという巻物を広げるお手伝いを、心理学のタスキをかけて、汗をふきふきやっております。何かあれば、お声掛けくださいね。

発達と育児の相談室スタッフ紹介-松本先生

皆さんこんにちは。4月より橋本先生とともに『発達と育児の相談室』の心理相談員をさせて頂くことになりました、松本法子(臨床心理士・公認心理師)です。どうぞ宜しくお願い致します。家族は夫・息子・娘とセキセイインコの4人と一羽、皆さんと同じく子育て真っ最中です。以前より、横田先生・れいな先生の『地域の子ども達が元気に笑顔でいられるように』という志とあたたかい笑顔が大好きで(内緒です)このたび念願叶ってスタッフの一員となることができ、心理支援という形で貢献できたらと思っております。
 主に就学前までのお子さんの発達と子育てに関わる様々な相談をお受けしております。まずは、受付でご相談内容と現在のお子さんの状況:(ご家庭・就園されていれば園でのご様子)をお聞きし、相談日を調整致します。初回相談はお子さんとご一緒に来談して頂き、ご様子をみながら発達についての悩みや困りごとをお聴きし、お子さんへの関わり方や環境の整え方等を一緒に考え、必要に応じて関係機関との調整を行います。また、ご相談内容・状況によっては、次回継続面接や発達検査を行う場合もあります。(検査の結果はその場で口頭でお伝えしておりますが、書面での報告書が必要な場合は数週間後にお渡しとなります)
子育ては”苦楽しい(くるたのしい)”と言う表現があります。苦しいけれど楽しい、楽しいけれど苦しい。苦しくなって子育てに行き詰まった(息詰まった)時は『まぁいっか』とちょっと力を抜いてみたり、一人で悩まずにご相談ください。“話す”ことは"離す”ことに通じます。子どもに対する様々な感情も話すことによって自分から少し距離をおき冷静に眺める事ができます。相談室では、お子さんの発達段階にあわせた関わり方や環境の整え方などを一緒に考え、お母さん・お父さんの心が少しでもほっと安心できるよう、そして一歩前に進めるようなお手伝いができたらと思っております。

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