横田小児科医院

院内報

こあら通信 第273号 January 2021

目次

・新しい年を迎えて
・明けましておめでとうございます
・乳幼児のやけど
・熱がある時の受診について
・待合室インフォメーション

新しい年を迎えて

 明けましておめでとうございます。新年を迎え、気持ちを切り替えて新しい一歩を踏み出そうと思います。

 昨年は新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた1年でした。一番驚いたのは、マスクや手洗いを徹底するとこれほどまでに子どもの感染症が減るということです。麻しんや風しんが減るのはわかりますが、RSウイルス感染症やノロウイルス感染症なども激減しています。ただし、健康な家族から感染すると考えられている突発性発疹だけは例年より少しだけ減少するに留まっています。病気の子どもが受診しないから報告数が減ったのではなく、病気そのものが減っているということの証拠です。国立感染症研究所のホームページから「感染症発生動向調査 週報」を検索すると、最近10年間の発生状況がわかります。

 この先、子どもたちの感染症はどうなっていくのでしょうか。ウイルスや細菌がなくなったわけではないので、またいつか流行が起こるようにも思えます。その時には、免疫の無い子どもたちが増えているので大きな流行が起こるのではないかと心配です。また、病気が少ないのは良いことですが、今の新しい生活様式が子どもたちにどのような影響を与えているのかも真剣に考えてみなければならないでしょう。

 小児科は子どもたちが心身ともに健康に育つことを応援するのが仕事です。身体の病気を見つけて治すことももちろん大切ですが、心が健康に育つためにやるべきことはまだまだたくさんありそうです。大事なお子さんたちの「今」だけでなく、20年先、30年先を見据えて、どう子育てをしていくべきかを考えなくてはなりません。小児科医を40年続けてきてもその答えは難しいですが、今一度足元を見直して、子どもたちと向き合いたいものです。

明けましておめでとうございます

昨年はコロナウイルス感染症の話題であっという間の1年でした。

どの家庭もこれまで当たり前だった生活が一変して新しい生活に慣れるのが大変だったかと思います。突然の臨時休校や外出自粛は子どもたちにも大きな動揺を与えたはずです。

ところが最近は世の中全体に新しい生活様式が定着してきて、むしろ以前当たり前だったことに違和感や罪悪感を感じたりすることさえあります。マスクの着用、手洗い・消毒、ソーシャルディスタンス、3密の回避、オンライン化・・・大人だけでなく子ども達もその生活に馴染んできている姿を見ると何だか正直ふと奇妙な感じもしてしまいます。この生活が当たり前になる時代が今後子ども達にはどんな影響を与えるのでしょうか。

今回のような大惨事を目の当たりにして、“逆境”に打ち勝つためには常識を覆すような発想の転換とそれに適応していく柔軟性が必要であることを改めて感じました。ただどんな事態の中でも変わらず守りたいもの、大切なことがあるということを痛感したのも事実です。

まだまだ感染状況が落ち着かない今、感染対策に気を抜いてはいけませんが、コロナウイルスの流行前のように距離もマスクも気にせずface to faceで話したり、大人数で集まって一緒にイベントを共有できる生活がすでに懐かしく恋しいです。

昨年の経験を通して、今年はどんな1年になるでしょう。明るいニュースが届くことを期待したいです。年明け早々少し重い挨拶になってしまいましたが、子ども達の未来のためにまず私自身は自分にできることを頑張りたいと思います。
(れいな)

乳幼児のやけど

子どもは1歳~2歳のうちにどんどん心身が発達し、動き回る範囲が広がります。それに伴い思わぬ事故の危険性も増え、なかでもやけどの事故はほとんどが家庭内で発生しています。つかまり立ちや自立歩行が可能となる1歳前後で、子どもが手を伸ばしやけどをしてしまいます。特に乳幼児は大人より皮膚が薄いため、やけどのダメージが皮膚の奥深くまで影響し重症化する可能性があります。子どものやけどを防ぐには「子どもの目線」で家の環境を見直すことが大切です。

1. お茶・味噌汁・カップ麺などの熱いものは子どもの手の届くところに置かない。
2. 抱っこでご飯を食べさせる時は十分注意する。
3. テーブルクロスを使用しない。
4. 電気ケトル・ポット・炊飯器・暖房器具・加湿器・アイロン・ヘアアイロンなどは本体・コードの両方に子どもの手が届かないようにする。ケトルやポットは倒れても中身が出ないようにロックする。
5. 魚焼きグリルは使用中だけでなく使用後も高温になるため、台所に子どもを近づけない。
6. 湯たんぽや電気カーペットは低温やけどをすることがあるので、長時間使用しない。

やけどをしてしまったときは、すぐに10~20分流水で冷やします。早い時期に十分冷やすことがやけどの進行を防ぎます。市販の冷却シートは、十分に冷えない可能性があります。直接貼ることで皮膚障害を起こすこともあるので使用は避けましょう。もし水ぶくれができた時は破らないように気をつけましょう。手当てに迷うときや判断が難しい時は民間療法などせず、かかりつけ医を受診してください。

熱がある時の受診について

例年インフルエンザの流行期になる頃ですが、今年は新型コロナウィルスの感染拡大もあり熱が出た時の受診に悩まされそうです。インフルエンザは突然の高熱、新型コロナは味覚や嗅覚の障害など、特徴的な症状があります。他はよく似ているため、症状だけで見分けるのは困難です。新型コロナが疑わしいと考えられる時は、一般的な病気で来院される方と時間や場所を分けて診察にあたりますので、来院前に受付まで連絡をください。新型コロナに対しバランスのよい食事と十分な睡眠、適度に運動し免疫力を高めましょう。そして3密を避け、寒い中ですが1時間に数分の換気を忘れずに。あとは手洗いと咳エチケットです。インフルエンザ予防にもなるので心がけていきましょう。

待合室インフォメーション

今月の絵は、アールドヴィーヴルの野々村聡眞さんの作品です。今年4月からメンバーに加わった野々村さんは通い始めてまもなく、コロナ禍で自宅での創作が続くことになりました。緑のトーン一色だった作品には少しずつ色数が増し、7月にアトリエでの活動が再開した頃には、いっそう色数が増し表現の幅に拡がりが生まれてきています。独特な文字や模様などが描きこまれた作品は、小田原市内や都内の店舗やオフィスを飾っています。

現在はみなとみらいにある銀行本店にもリース展示されています。

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