横田小児科医院

院内報

こあら通信 第246号 October 2018

目次

・発達障害と個性
・風疹
・インフルエンザ予防接種
・外来小児科学会年次集会に参加して
・「おっぱい教室」を開きます!

発達障害と個性

豪雨、地震と天災の多かった夏でした。被災された方々にお見舞をお伝えし、できるだけ早い復興をお祈りします。

だいぶ涼しくなってきましたが、夏休み明けは学校が苦手な子どもたちにとってストレスの多い時期です。自由に過ごしていたのにそうは行かなくなり、同級生や先生とのやり取りも増えて精神的にも疲れてしまいます。外来にも体調不良、朝起きられないという子どもが増えてきています。

発達障害という言葉が広く知られるようになりました。平成16年制定の発達障害者支援法には「発達障害とは自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」と定義されています。人口の5〜6%とまれなものではなく、この中に学校が苦手な子どもが多いこともわかっています。

しかし、発達障害の子どもがすべて集団生活に困っているというわけでもありません。自分の得意分野を伸ばし、周囲の人たちとじょうずに関わっている子どももたくさんいます。発達障害は人の個性ともいうべきもので、直すことは難しいと考えられています。個性を持ちながらじょうずに社会生活が送れるような技術を身に付けること、周囲の人がその個性をじゅうぶんに理解して対応することが必要です。

発達障害の子どもが増えていると言われますが、そうではないという意見もあります。便利さと効率ばかりを追い求める社会になってきたことが、昔からいた発達障害の子どもたちを生きにくくしているだけなのかもしれません。発達障害の増加の原因は、むしろ社会の在り方の変化にあるようにも思います。

風疹

最近、話題になっている風疹。今年5月から徐々に大人の風疹が首都圏を中心に発生し、地方に感染が拡大し始めています。風疹ウイルスによって飛沫感染し、発熱とほぼ同時に顔や耳の後ろから小さな発疹が出て、耳の後ろのリンパ節が腫れて痛む病気です。3日程で治ることが多いため、三日ばしかとも言われます。潜伏期間は2~3週間で、発疹が出る前後1週間に感染力があると言われています。風疹はワクチンで防ぐことのできる病気です。2006年度から1歳と小学校入学前1年間の2回、MR(麻疹・風疹)ワクチンの定期接種が導入されています。

血中抗体はワクチン接種後約2週間から出現し、定期予防接種率の上昇と2回接種制度の効果により小児では2歳以上の抗体保有率は概ね90%以上ですが、30~50歳代の男性は低いことがわかっています。男性・女性とも、風疹に罹ったことがなく、風疹含有ワクチンを受けていない・あるいは接種が不明の場合は早めにMRワクチンを受けることが奨められています。MRワクチンを希望の方は、市からの助成を受けられる制度(条件付き)があるので受付に相談して下さい。自分と家族、そして周りの人々を風疹とその合併症から守りましょう。

インフルエンザ予防接種

今月よりインフルエンザの予防接種が始まっています。大勢の方にWeb予約でご協力をいただきありがとうございます。中学生未満のお子様は原則2回接種です。ただし小学4年生以上で昨シーズンもワクチンを接種したお子様は1回の接種になります。2回接種が必要なお子様は1回目と2回目の間隔を4週間以上あけて2回分の予約を先にとっていただくようお願いしています。1回目の接種料金は¥3900円(ただし3才未満のお子様は¥3500円)、2回目は¥2500円です。6ヶ月未満のお子様への接種は行いません。1才未満のお子様は接種をしても抗体がつきにくい為、接種をお勧めしていませんが、集団生活を始められている方はお勧めします。家庭にインフルエンザを持ち込まないために周りの方が接種をすることも予防の一手になります。かかりつけのお子様のご家族の接種もおこなっていますので、ご希望のある方は一緒に予約をおとりください。また、院長の都合によりインフルエンザ接種は院長、れいな先生、渡辺先生が担当します。担当医師は当日までわかりませんのでご了承ください。

外来小児科学会年次集会に参加して

8月24日~26日まで第28回日本外来小児科学会年次集会に参加してきました。内容について代表的な2件を報告します。

「小児歯科から学ぼう」
日本外来小児科学会に参加させていただき多くの学びを得ることが出来ました。「離乳食で口を育てる」という小児歯科医の講演では離乳食の進め方が子どもの口・顎の発達に影響し、①くちゃくちゃ食べる②丸呑み③唾液が出にくい④うけ口⑤ぽかんと口が開いてしまう⑥歯並びが悪い⑦口呼吸などに繋がってしまう、とのことでした。正しい咀嚼・嚥下プロセスで離乳食を進め、正しい口腔機能を習得することが必要だそうです。一般的に離乳食は月齢の目安で形態を進めることが多く、よく食べる子どもの場合は更に早く進めがちです。子どもの歯の生え方は早い子と遅い子では前歯で1年・奥歯では2年の差があるそうで、子ども一人一人の歯の生え方・口の動かし方をよく見ながら離乳食を進めることが大切だと学びました。今後、わかりやすい資料等を探し、保護者の皆様に情報をお伝えできればと思っています。(井上)

「子供の眠り」
睡眠についての講演を聞きました。睡眠不足は仕事や勉強の効率を下げるなど困ったことを多く引き起こします。特に慢性的な睡眠不足は、睡眠不足症候群という世界でも認められた病気です。症状には、攻撃性の高まり、意欲・気力・集中力の低下、疲労や食欲不振、不安や抑うつなどが生じたりすることもあります。最近の子ども達は、TV・スマホの見過ぎや塾やスポーツの習い事で忙しく十分な睡眠を確保できていないようです。必要な睡眠時間は一人一人違うため自分にあった睡眠時間を知ることが重要です。快眠するために大切なことは①朝の光を浴びる②昼間に活動する③規則正しい食事と排泄をする(便秘に注意)④夜は暗くして眠る⑤過度な嗜好品やメディアは避ける、ことです。たかが寝不足と考えず睡眠の優先順位をあげていく必要があるということでした。改めて睡眠の重要性を学びました。(永田)

お知らせー「おっぱい教室」を開きます!

10月26日(金)10時から病児保育室JAMBO!の2階で当院の看護師と助産師が最近の母乳育児、おっぱい事情をお話します。初めてお子様をもつ方、2人目、3人目....どなたでもお気軽にご参加いただけます。ご希望の方は事前に受付にご連絡ください。

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