横田小児科医院

院内報

こあら通信 第232号 August 2017

目次

・「在ること」の意味
・口のけが
・第27回全国病児保育研究大会に参加して
・待合室インフォメーション
・お知らせ

「在ること」の意味

昨年7月末の津久井やまゆり園事件から1年が経ちました。

「障害者はいなくなればいい」という間違った考え方から起こった事件でしたが、世の中に多くの波紋を投げ掛けました。神奈川県では「ともに生きる社会かながわ憲章」を作り、県民へ広める仕事に取り組んでいます。

とんでもない事件と皆さんは思うでしょうが、このような危険な考え方は世の中にけっして少なくないようにも見えます。障害をもった子どもたちを健常な子どもたちといっしょに育てようという動きはどんどん広まっていますが、受け入れる側に「ともに生きる」心はほんとうに育っているでしょうか。発達障害などのために皆といっしょに行動できず周囲を困らせる子どもたちは、集団生活の中で幸せに過ごしているようには見えないことがよくあります。周りのみんなに迷惑をかけるからという理由で、集団から外されていることさえ少なくありません。

7月末にコスモスの会があり「発達障害者への支援」をテーマに話し合いをしました。講師の先生は障害者のことを考える基本として、人は皆「何ができるか」ではなく「在ること」に意味があるのだと話しました。

子どもは可愛く大切な存在で、いてくれるだけで幸せです。でも実際には「言うことを聞かない子は嫌い」「勉強ができない子は私の子ではない」というように感じて子どもに接してしまい、そのことが子どもの心の発達を妨げているかもしれません。失敗してもだいじょうぶという安心感、最後は守ってもらえるという信頼感があってこそ、子どもは外の世界へ飛び出していけるのです。子どもの心を育てるためにも、「在ること」の大切さをもっと感じられるようにならなければと思います。

口のけが

子どもが転んだ拍子に頭や顔をぶつけて口の中が切れてしまったという経験ありませんか?

転んで口の中が切れ出血した時は、まず血液を飲み込まないようにします。
血液は胃で消化できなく飲み込むと吐いてしまう原因になるため、吐き出すことが大切です。出血を止めるために清潔な布で傷口を圧迫しそのまま様子を見ましょう。

特に小さい子どもは転んだり顔をぶつけただけでも上唇の裏の筋(上唇小帯:じょうしんしょうたい)が大きいため切れやすいのが特徴です。

口の中のケガは出血が多く見えますが、治りが早いです。もし、圧迫しても出血が止まらない場合や大きな傷のとき、歯がぐらついたり折れたりしていると時、はすぐに受診しましょう。

口の中をケガした時は、傷口に刺激になるような物は避け、薄味の物や軟らかい物(おかゆ・ゼリー・プリン等)が痛みが少なく食べやすいです。また、歯みがきは無理強いせずうがい程度で構いません。

第27回全国病児保育研究大会に参加して

7月16日~17日まで横田先生とスタッフが大阪で行われた病児保育研究大会に参加しました。

今年も研究大会に参加させて頂き、様々なお話を聞くことができました。シンポジウムでは、病児保育とは究極の育児支援という言葉が何回も出てきました。頑張る育児から楽しむ育児へ変えていく。子どもが病気の時は状態に適した環境を提供し、それが育児支援に繋がり、結果として保護者の就労支援でもあるという考え方だそうです。「究極の育児支援とは楽しい育児」へと繋げていける様、気持ちを込めて保育していきたいと思います。(土屋)

研修に参加して改めて思ったのは、朝の聞き取りの重要性です。朝の忙しい時間に保護者から色々とお話を聞くには理由があります。私達にとっては、まず入室したお子さまの事を理解することから始まります。その日の症状や生活の事を詳しく聞く事で、保護者の方が迎えに来るまでどう保育するかが決まります。その後退室後も自宅でケアが出来るようアドバイスするのも私達の重要な役割だと思っています。生活の流れの中の場の一つとして、病児保育室を安心して利用して頂ければと思います。(小長谷)

病児保育とは「子どもが病気をした時は親子の危機であり、それを乗り越えるために行うもの」と学びました。私は、その危機を乗り越えるために、少しでも手助けしていきたいと強く感じました。
そのためには、まず子どもに最善の環境を作ることや保護者の不安を取り除くことを大切にしていこうと思います。そして病児保育について学ぶ姿勢をしっかり持ち、自分自身のスキルアップと共に毎日の振り返りも忘れないようにすることで、より良いJAMBO!にしていきたいです。(田村)

今回の研究大会では感染症のセミナーに参加し、保育室という限られた空間の中で病気の子どもを何人か同時に預かる際の注意点を学びました。1つのウィルスに感染した場合他のウィルスには感染しにくいこと、またそのウイルスの特徴や感染経路を理解して部屋を分けたり消毒方法を考えれば、保育室内の感染を抑えることができることを知りました。感染を完全に防ぐことは不可能ですが、正しい情報に基づいた保育を心がけることで少しでも保護者の方の安心につなげていきたいと改めて感じました。(小笠原)

待合室インフォメーション

今月の作者は、アール・ド・ヴィーヴル萩原幹大さんです。

作品は小田原城をイメージして描かれました。小学生のころから毎日欠かさず描いている文字。最後の1ページまで描きこまれたノートはすでに200冊以上にもなります。その独特な文字は、「かんたフォント」と名付けられ、今では手描き文字で名刺のオーダーを受けることが幹大さんの仕事となっています。独特なバランスで描かれた文字は、まるで絵画のようにも見えますね。

お知らせ

インフルエンザ予防接種の予約が始まります。

8月31日(木)19時からインターネットで、 9月7日(木)から窓口・電話で予約をお受けします。6ヶ月~小学生のお子さまは、接種回数2回です。ただし小学4年生以上で昨シーズンもワクチンを接種したお子さまは原則1回の接種とします。2回接種の場合、1回目の予約の際に、必ず2回目も予約してください。1回目終了後に2回目の予約を取ると既に予約が埋まっていてご希望の日程でとれないことがあります。1回目と2回目の間は4週間あけてください。

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